コンユの部屋

コンユ:marie claire 【日本語訳】最後に追記あり

シャネル初の男性ウォッチアンバサダーに選ばれました。今日の撮影はいかがでしたか?

普段、ある提案を受けた時にその提案が私にだけ有利であるよりは、お互いに相乗効果をもたらすことができるかどうか、悩む方です。私によってブランドもシナジーを出せることを願っていますし。一緒にグラビアの撮影をしていて、私をブランドに合わせようとしないという感じを受けました。私の自然な姿をよく見てくださっているということでしょう。なので、今日も楽しく撮影しました。シャネルと共にするこれからの予定も楽しみです。

今年はデビュー20周年です。数字というものがズシリと重くのしかかってくることもあるけれど、またある時は本当に何でもないかのように軽く感じることもあります。この2つの感情を同時に感じる事もありますし。

演技を始める時も10年後、20年後の自分の姿を想像して見たりもしました。漠然と、20周年になったら感慨深いだろうなと。なのに実際に20周年になったら、びっくりするほど何ともありませんでした。20周年になったことも気づかなかったです。

今までの自分のどんな姿を、少しでも褒めてあげたいですか?

よく耐えたこと。だけど、慎重になります。今のコンユだけ考えれば、まるで最初からよくなじんでいる、あるいは何一つ不足のない人間に見えるかもしれません。人は過程よりも良い結果だけを記憶するので。私にも、やりたいことを全部はできなかった時期、誰も私に注目せず、私の話に耳を傾けてくれなかった時がありました。そういう時間を通り過ぎてきて、今の自分がいます。その過程で時には一歩譲ったり、妥協したりもしたし、皆はなんでこれを分かってくれないんだと言って、ひとり頭を抱えて悲しんだ時期もあったけれど、それでも諦めたり他の道にそれることなく耐えてきたことに対しては、ちょっとありがたいです。

以前のインタビューを読んでみると、作品を選ぶまで長い時間が必要な方だという事が伺えます。キャリアを積んで俳優という仕事に慣れてくる過程で選ぶのが簡単になったりしますか?

いいえ。人はそう簡単に変わりません(笑)もう40歳を超えて、私の本質的な部分は大きく変わらないと思います。認めて生きていかなければならないのですが、そんな中にも1つはあります。少なくとも選択において「自分が正しい、あなたが間違っている」という論争でエネルギーを浪費したくありません。でも20年という時間、この仕事をする過程で深思熟考しながら選択してきて、結果に関係なく自分だけの、小さくて大切なプライドはあるんじゃないかと。私がした仕事に対しての肯定的な反応を見たり、認める視線を受けた瞬間に感じる達成感や喜びがあります。誰かは今までの私の選択に対して、なんでそんなに難しい道ばかり選んだのかと、今はそれによる苦痛を楽しんでるんじゃないかと尋ねることもあります。だけど私は、難しい道を進まなければならない、これをやり遂げてこそ、この仕事の達成感を感じるという人間ではありません。

深思熟考した選択だけれど結果に対して確信することは難しいでしょう。俳優だけ良ければいいわけではないですから。いろいろな経験を積んで、結果に対する態度も変わったと思います。

スポーツ競技だけ見ても、何人かの選手が優れているからといって、優勝するわけじゃないじゃないですか。私がしている仕事も同じだと思います。監督と作家、俳優そしてたくさんのスタッフがそれぞれの位置で最善を尽くしても、できるかどうかとうい仕事じゃないですか。その過程で漏水することも多いですし。それでも依然として私にとって変わらない、大切な価値はどんな作品でも、最初から最後まで、その過程が美しい事を願います。だからどんな過程を経たかを基準に、自分自身ではよい作品だと記憶している作品もあります。過程がよかったのに結果が良くなかったからと、それほど大きく失望することはありません。理想的な考えかもしれませんが、堂々と喜びたいです。

20代と30代以降、俳優コンユを引っ張ってきた動力が変化していると感じますか?

以前は自分の役がどんな姿で、どうやって演技すればいいかについての悩みが先立っていたとしたら、今はその悩みが逆転しました。それよりは、自分がこの作品にどんな影響を与えられるか、自分の役が他の人物にどんな影響を与え、エネルギーを伝えるかについて、たくさん悩みます。どうやってシナジーが作られ、そのシナジーが作品の色に繋がっていくのか、考えることもあります。作品を選ぶ時、以前は自分のキャラクターだけ見ていたけれど、今は制作陣がどんな話をしたいのか、どんな話題を投げかけたいのかに関心が行きます。相手の俳優や助演優の役を見て「ただこんな風に消耗しちゃダメじゃないか、こんな風に消耗したらこの状況自体がすごくつまらないのではないか」という風なおせっかいも出てきて。

Netflixオリジナルシリーズ「静かなる海」が下半期に公開される予定です。映画「徐福」に続いて2回目のSFです。この2つの作品選択した時期に俳優を魅了した考えや、質問があったようですが。

過去よりも近未来に関心があります。映画「徐福」はクローン人間という素材のために、形だけSFであって、人間の恐れや欲について語る作品じゃないですか。反面「静かなる海」はディストピア的世界観を備えた作品です。発想の面で奇抜だと思ったし、魅力的に感じました。ただ未来が明るいものだと楽観している人間ではありません。だからか、ディストピア的世界観を備えた作品が好きです。このような作品が好きで選ぶには、警戒心を分かち合いたい気持ちが働いたのだと思います。

社会的な問題を引き出して見せ、共感を形成するのにアプローチしやすい興味深い話、特に映画やドラマの力は本当に強いですよね。

そういう意味でもBBCドラマ「Years and Years」は最近見た作品の中でも1番面白かっです。ドラマの中心軸であるおばあさんのセリフが私の心のようで、メッセンジャープロフィールに設定したくらいです。こんなセリフが出てきます。「私たちがこの状況を作ったんだよ。だから私たちのせいだ。これは私たちが作った世界だ」「間違ったことは全部お前たちのせいだ。なぜならここにいる私たちは皆座って1日中人のせいにする。経済のせいにし、ヨーロッパのせいにし、野党のせいにし、天気のせいにして、広大な歴史の流れのせいにする。仕方のない事だったと言い訳をする。私たちはとても無気力で小さく、とるに足らないという事だよ。だけど私たちの過ちだ。なぜそうだと思うのか。私たちが作った世界だよ。」私はこういう作品に触れた時じいんとするんですよ。監督や製作者ではないけれど、作った人の立場でこんな作品を人々に贈りたいというのが夢です。暇つぶし用に見て見過ごすのではなく、映画が示唆する事を繰り返し言える作品を。

俳優が自分が望むところを明確に知っていて主体的に作品を選ぶと、その時の悩みが作品とつながる経験をする時があるようです。過去のどんな作品を見てその時の自分が思い浮かびますか。

それは俳優という仕事の長所の1つでしょう。キャラクターを借りて表現するけれど、当事者は分かっているんですよ。ふと取り出した時自分だけが知っている部分があります。過去の作品たちを見ながら、冗談で「あの時本当に若かったな、瑞々しいね」と言いながらも心の中では「はぁ、本当にそうだったな」と回想するんです。当時の悩みがキャラクターを通じて自分の眼差しや声に全部出ているから。ドラマ「コーヒープリンス1号店」のような作品が私にとってそうです。忙しく追い込んで、夜を明かして撮影して、当時は分からなかったけれど、時が流れてそっくりそのまま見えるんですよ。その時の自分がどうだったのか。

その時のコンユはどうだったのですか?

本当に熱かったなぁ(笑)「チェ・ハンギョル」を見ると29歳の時、ひねくれていて尖っていた、そして自身をものすごく苦しめていた自分が思い出されます。最近生ぬるくなったので(笑)だけどこの「生ぬるい」という表現が私にとって苦々しい意味ではありません。私は今が好きです。その時の私が懐かしくはあるけれど、どこまでも青春は青春ですから。その時は熱かったからよくて、過度に熱くも冷たくもない温度が今の自分とよく合っています。

マネジメント公式youtubeチャンネルで公開している「コンSEA漂流記」が話題です。「都市漁夫」が書き込みをしたそうですね。マネジメント会社で長い時間説得して完成した結果できたものですか?

違いますよ。私がやると言って始めたんですよ。現実的な制約なしで自由に遊ぶところを見せたかったんです。私はSNSをしていないじゃないですか。ファンたちが見ることができない、平常時の私の姿を最大限飾ることなく見せようと始めたんですよ。戯れるように。

メイクもしなかったそうですが。

全くしません。変なパジャマのようなものを着たり、前に済州島で撮った動画を見ると、前日にお酒を飲んで目が腫れていて、顔も真っ黒で、髪の毛も思いっきりはねてました。そのままの自分を見せてあげたかったんです。私はそんなに素晴らしい人間ではなく、大きく違うところのない人間なのに、どうもこの仕事をしているとキャラクターのおかげでファンタジーが与えられているだけだと。普段はこうして遊ぶ人間だと。実は編集しなくてもいいんですよ。だけど会社の人たちが先立って私を守ろうと(笑)企画も構成も台本もなく、ただ朝にカメラを点けて、意識の流れるままに撮っています。普段youtubeをよく見ますか?「NERDULT」を知っていますか?ニンジンマーケット動画・・・。

※당근마켓・・タングンマーケット、ニンジンマーケットという、中古マーケットアプリ。近所の人と直接会って直取引できるように手伝うアプリ。

最後のその動画貼っときます。

見たことあります。夫たちがアバターのようにニンジンマーケットの取引をするのを再演した。

チャンネルが今コンテンツ3個でチャンネル登録者8万人を超えました。すごく上手い。初めて見た時私が待っていたチャンネルだと思ってすぐにチャンネル登録、通知設定をしました。どう見ても大したことのない、人々に共感を与える個人的な設定の動画なんですが、そこで結局決め手はディテールなんですよ。ディテールがとても精密で正確なんです。音楽も編集もとても良くて。2人が制作から演技まで全部やるそうです。私はこのような人たちを本当に愛しています。だから事務所の代表にNERDULTがどんな人たちなのか、ちょっと調べて欲しいと言いました。とても気になったので。

NERDULに出演しますか(笑)

するかも知れません!私、ちょっと出てもいいですか?(笑)

最後になります。以前に朗読したエリン・ハンソンの「ないもの」の中で「あなたはあなたが信じるものたち」のいう句があります。今、俳優コンユが信じるものは何ですか?

私が信じるもの・・・私は真実はなんだかわかりませんが、真心は知っています。真心は時間がかかったとしても、最後は必ず誰かに届くと信じています。これは相手への真心であると同時に、私自身への真心でもあります。自らを偽ることなく心から向かい合いたいです。そんな人間でありたいし、俳優でありたいです。

記事は以上です。

 

コンユさんが登録して、通知設定までしているのはこちら↓

【追記】

設定としては、妻に頼まれて弓矢を売り買いする夫たち。

「何で売ることにしたんですか?」

「オリンピック後飽きたそうです」

「何回使ったか聞けと言われたのですが・・」

「どれだけ使ってるかって聞かれたんだけど。2回です。」

妻に試しに矢を射るように頼まれたり・・

結局「的」がなくて、(他のママさんに貸しちゃった)

次の日にまた妻の代わりに会うことになってしまった2人(笑)

いちいち妻の意見を聞く夫の姿が・・・リアル(笑)

こういうのが好きなんですね、コンユさん。

POSTED COMMENT

  1. iwasuzu より:

    とても読みやすい日本語訳ありがとうございます。
    彼の人間味が感じられるとてもいいインタビューですね。
    ますます好きになりました^^

    • より:

      iwasuzuさん
      コンユさんのインタビューを読むたびに、人として尊敬します。
      インタビューもyoutubeで見せてくれる、チョッピリめんどくさいコンユさんも、魅力的ですよね(笑)

  2. Lamu より:

    読み応えがあるインタビューを訳して共有くださり有難うございます。真っ直ぐ心が伝わります。

  3. ラブ より:

    追記ありがとうございます。笑いました(笑)
    こういうのが好きなんですね(笑)

    • より:

      ラブさん
      なんかシュール(笑)
      好きな物、知るだけでもなんか嬉しいですね(*^-^*)

  4. ラブ より:

    ホントにシュール、なのにリアルなのが面白いんでしょうね(笑)好きなことや本や音楽の趣味とか知りたいです。えへへ。返信ありがとうございました❤️

    • より:

      ラブさん
      韓国のコンユさんのファンクラブサイトでは、コンユさんが好きな本や映画を紹介してくれます!
      その内容等は、絶対に外に出してはいけないので・・・
      韓国語が読めるようになったらぜひ、チャレンジしてみてください(*^-^*)

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